はじめまして、こんにちは。PCコンビニを運営する株式会社イクスネットの、SE&データ分析&マーケティング担当:中山です。
スタッフブログ初っ端ですが、いきなりExcel(というか数学の基本?)のお話です(^^;)
平均値を計算してみましょう
例えば、下記のような表があるとします。
A | B | C | D | E | F | G | |
1 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | |
2 | 購入件数 | 121 | 98 | 116 | 2 | 126 | 119 |
3 | 購入率 | 6.70% | 6.44% | 6.75% | 50.00% | 7.05% | 6.82% |
4 | 購入単価 | ¥17,231 | ¥16,653 | ¥16,844 | ¥100,000 | ¥14,468 | ¥15,647 |
表を見た感じでは、4月が随分とイレギュラーですね。分かりやすくするために、わざと変な数字にしています。
さて、本題。この場合の「購入率」と「購入単価」の平均はそれぞれいくつになるでしょうか?
意外と難しい「平均とは?」の説明
まあ、数字に慣れている人であれば、全く問題なく計算できると思います。一方で、例えばWEB解析などを生業にしている方でも、大いなる間違いを犯している場合があります(実際、そういう計算をしているレポートを見たことがあります)。
さて、まずは平均とはどんなものであるか、Wikipediaを見てみましょうか。
・・・理数系方面の方でないと、何が何やらさっぱりですね(^^;)。私もこんな風に説明されたら、一目散に逃げます。
平均って、公式で表そうとしたり、一般的な言葉で説明しようとすると非常に難しいんですよね。で、大概は事例をもって説明されたりします。
(例)実力テストで、国語は88点、数学は96点、英語は82点でした。この場合の平均点は、(88 + 96 + 82) / 3 = 88.7点です。
一言でいえば、「平均をとりたい数の合計値を、その個数(件数)で割ったもの」という感じになります。・・・分かりにくい。
で、Excelには、平均値を計算するための便利な関数が用意されています。それが・・・
Average関数
説明
引数の平均 (算術平均) を返します。 たとえば、範囲 A1:A20 に数値が含まれている場合、数式 =AVERAGE(A1:A20) はそれらの数値の平均値を返します。構文
AVERAGE(数値 1, [数値 2], …)
「おお、これは便利だ!」ということで、先ほどの例題の表で、この関数を使って平均値を計算してみましょうか。
購入率の平均:=AVERAGE(B3:G3)・・・13.96%
購入単価の平均:=AVERAGE(B4:G4)・・・¥30,141
さてさて、これで正解でしょうか?
「率」の平均と、「平均」の平均には気をつけろ!
今回の例題では4月が大きなイレギュラーなので分かりやすいかもしれませんが、さすがにちょっとおかしいですよね。パッと見ただけでも、4月に随分と引っ張られてしまっているのが分かります。でも、Excelを信じすぎてると、これが正しいと思っちゃう方もいるようです。
これ、下記のように2行追加すると、惑わされずに正しく計算できるのではないかと思います。
A | B | C | D | E | F | G | |
1 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | |
2 | 購入件数 | 121 | 98 | 116 | 2 | 126 | 119 |
3 | 来店者数 | 1,805 | 1,522 | 1,718 | 4 | 1,786 | 1,744 |
4 | 金額合計 (K¥) |
¥2,085.0 | ¥1,632.0 | ¥1,954.0 | ¥200.0 | ¥1,823.0 | ¥1,862.0 |
5 | 購入率 | 6.70% | 6.44% | 6.75% | 50.00% | 7.05% | 6.82% |
6 | 購入単価 | ¥17,231 | ¥16,653 | ¥16,844 | ¥100,000 | ¥14,468 | ¥15,647 |
こうすると素直に、「購入件数の合計 / 来店者の合計 = 購入率」、「金額合計の合計 / 購入件数の合計 = 購入単価」と計算できるのではないでしょうか。
では、先ほどの「Average関数」で出した数字と比較してみましょう。
Average関数 | 正しい答え | |
購入率 | 13.96% | 6.78% |
購入単価 | ¥30,141 | ¥16,419 |
それぞれ2倍近く違います。営業成績やお客様への報告書、経営に関わる数字でこんな計算していたら、由々しき問題です!
原理を理解したうえで、Excel関数を利用しましょう!
今回の例題はまだ分かりやすいものでしたが、WEB解析などでは、例えば「平均滞在時間の平均」を計算することがあります。「総滞在時間 / 総セッション数」ということになるのですが、一般には「総滞在時間(滞在時間の合計)」という数字は見ることが無いので、「AVERAGE(平均滞在時間)」というような計算をしてしまっていることが散見されるんですね。
Excelの関数が非常に便利なものが多いですし、積極的に使った方が業務の効率化にもつながって良いと思います。ですが、利用する前にきちんとその関数の意味というのを理解してから使わないと、思わぬ事故の元にもなりかねません。特に、平均なんて“簡単”なものと思いがちですしね。
ということで、なんだかまとまりのない内容となってしまいましたが、簡単なものほどきちんと基本を抑えてから利用しましょう、ということでした。
それでは、また。Happy Excel life!!